「怒る」と「叱る」の違いを今更解説する必要はないと思います。「怒る」は自分の感情を相手にぶつけるだけ、「叱る」は相手の成長を考えて敢えて厳しく接することです。

 しかし、頭では分かっていても「感情的」になるマネジャーがいるのも事実です。実際に、研修内のロールプレイングでも「なかなか納得しないメンバー」「反論するメンバー」に対して感情をあらわにするマネジャーがいます。
 もちろん、人間ですから感情が揺れ動くのは自然なことです。しかし、自分の負の感情をメンバーにぶちまけるのは当然良いことではありません。ぜひ気を付けたいところですね。
そこで、感情を露わにしやすいマネジャーのタイプをいくつかご紹介します。

【プライドが高すぎる】
 まず、「自分は上司だ。メンバーになめられてはいけない」という感覚が強い上司は、感情的になりやすいようです。少し、メンバーが反抗したり、自分のことをバカにするような態度を取ると表情が一変します。
 心の奥には、「このままでは、上司として権威が保てなくなる」という焦りが見え隠れし、それが感情の高ぶりにつながっているようです。

【こだわりが強い】
 「仕事とはこうあるべき」という自分のこだわりがあり、それから外れているメンバーが許せないというタイプです。「ふつう~だろ!」という口グセが特徴。自分の普通が世の中の普通だと考えている節があります。
 心の奥には、「世の中のルール(本当は自分のルールなんですが・・)を守れない人間は、とんでもない」と、価値観の違う人を受容できない面があります。

【ものすごく忙しい】
 「あれも、これも」と仕事に追われ、ものすごく忙しい人も、感情的になりやすいマネジャーの代表格です。なぜ忙しいかというと、「メンバーに任せていられない」からです。要するに、メンバーの仕事を信用していないのです。メンバーは無能だと感じているので、メンバーの動きを見ているとイライラしてきて、感情的になります。
 心の奥には、「このような無能な部下ばかりだから、自分が忙しい。本当に腹立たしい状況だ」と現在の状況を恨んでいる節さえあります。

 このようなタイプの特徴は、一言でいえば「自分のことにしか目が向いていない」マネジャーであるということ。自分の体裁を守ったり、状況を恨んでいることが負の感情となってメンバーに向かいます。言い方は悪いのですが、「八つ当たり」と言っても過言ではない状況です。

 メンバーは完璧ではありません、色々な人がいます。そして、最も重要なのは「自分と価値観が違う」「頭の中にあるルールも違う」ということ。まず、自分だけのモノサシを捨てて、「このメンバーのモノサシはなんだ?」と考えることからスタートです。
 「あー、こういう人もいるんだよなー」と価値観の違いを、受け止めらるかどうかにかかっています。

 言葉では簡単に言えますが、なかなか難しいですね・・・。
 まずは、「ムッ」として、感情的になったら「あれ、今感情的になってるな。落ち着け落ち着け」と、自分の状況を冷静に観察するだけでも効果があります。

 上司がいつもイライラして感情的になっているチームは、もちろん強くはなれませんよね。
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