「会社の同僚はすべてライバルである。従って競争はあっても、真の協調はあり得ないと思うことが自分のためである」という設問に対する回答傾向は、次のようになっています。
そう思う   3.3%
わからない  6.6%
そう思わない 90.0%
2001年以降、この数値1%程度の範囲内でしか変動していません。
「そう思う」と答える3.3%の人たちは、

・職場のグループ内の協調も大切だが、まず一匹狼になってもいいから人に負けない仕事をすることの方が、自分のためであり、会社のためである。
・我々従業員は、会社の利益を生み出す手段であって、職場で個性を発揮することはむずかしい。
という設問に「そう思う」と答え、
・新入社員は、最初は頭の悪い人と思われてもよいと考えた方が色々な面で得だ。
という設問には「そう思わない」と答える傾向が強いようです。

他の回答傾向も考え合わせると、競争志向であり、言われた事をまずやる意識が強いと考えられます。おそらく、業績を引っ張る先鋒となる人材です。

ただし、組織は多人数で業績を追い求めるもの。
「一人では何もできない」ということを理解させておく必要はあります。
決まり事を守り、ルールにのっとって動くことも意識させないとなりません。
少なくとも、企業人の初期段階において、ここができないと、多くの場合、はじかれます。わずか3.3%なんだから、それこそ尖がった人ではないか?と思われるかもしれませんが、「尖がった人」は私の経験では、1000人に一人もいません。

尖がった、一見、変わった新人が成功した事例が、新聞などで紹介されるのは、それが特別な人だからです。
1/8の日経産業新聞でも、USJの執行役員の盛岡さんが、前職でヘアケア製品の担当時代(入社2~3年目)に「針山のように固めた金髪」で出勤したとの話が載っていました。「金髪で出勤すると、成功する」のなら、みんなそうするでしょうが、そんなことはあり得ません。
素材として尖がっていて、計算の上でつくられたキャラクターを演じていただけです。
「機動戦士ガンダム」になぞらえ、「僕たちはガンダムのジムである」という本もありましたが(ヴィレッジブックス 常見陽平著)、「ジム」である多くの一般社員にとっては、規律を守り、ボールたちと集団で行動しなければ生き残ることはできないのです。

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