いつ新入社員のフォロー研修を行うか、企業によってその時期はまちまちですが、弊社で受けているフォロー研修の実施時期を分類してみると、早いところは6月、7月、ピークは9月、10月ですが、そのあとは3月に集中しています。
開催時期によってその目的、意図は変わっています。
入社2~3か月後の場合
・入社前のイメージとの現実のギャップを取り除く
・目前の仕事の不安やスキル上の不具合の確認
・人事として現場での指導状況のモニタリング

この頃に実施するフォロー研修は、人事的には離職防止をかなり意識する研修になります。
漠とした職場の不安を払拭することが第一の目標になります。
入社前から面倒を見ている人事担当者が相談相手になることも必要でしょうし、入社当時の思いを再確認したりする作業を行います。

半年後
・企業人としての基本的なものの考え方、態度などの再確認
・同期の成功事例等を抽出、共有、成長実感を持たせる
・一年後の目標設定等による再動機づけ

半年ほど経つと職種によっては独り立ちさせることもありますし、概ね一日中見ていなくても、とりあえず仕事ができるようになってきます。
そうするとメンタル面よりも業務スキルを強化させる方が、仕事の自信につながります。
業務スキルは現場に任せ、人事サイドからはその業務スキルをどう、何のために学ぶのかを方向付けしていくことが求められます。

9~12か月後
・二年目を迎えるにあたって先輩としての心構え、後輩指導スキル習得
・成長実感を与え、将来目標の確認を行うことによる動機づけ

1年目は甘やかされても、2年目はもうそうは生きません。
職場によっては、新人指導を任されることもあります。
そのための準備や再度、「ここで働く」動機づけを行うことがこの時期のフォロー研修の中心になります。

と、上記のようなものが新入社員のフォロー研修として行われているものではあります。
これに微妙に変わるその年度の特性にも焦点を合わせていく必要があります。
本年の新入社員は「面従腹背」というか、「表面的には従っても、力を尽くして仕事する」という姿勢に欠けていると、複数の企業の人事担当者からお聞きします。
弊社で7月に実施したとある企業でのフォロー研修でインストラクターが、「何歳まで働く?」という質問を投げかけたところ、そこにいた27名(男性:15名 女性:12名)のうち
・60歳(男性の全員)
・40歳(女性、5名)
・30歳(女性 7名)
と回答しました。
その会社は、70歳まで働くことのできる制度を持っています。
にもかかわらず、60歳で仕事を辞めたいそうです。
(隣に座っていた、定年退職後も働かれている教育担当者が苦笑いしてました)
また、女性の多くは「寿退社」を望んでいるかのようです。

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