~メンタル不調を発症しやすいタイプ~

 前回から始めたコラムの第二回目です。採用にあたり人材の良い面を見極めて原石を探すプロセスについては多くの知見があります。しかし、採用担当者がよく経験されるように「良い人材と思い内定を出した学生は、他社でも多くの内定をもらっている」、一方で、「高い倍率で採用したはずなのに半年、一年後、一部の人材については採用したことを後悔するケースも出てくる」ことから、良い面を見極めるよりも、悪い面を見極める方が難しいものです。そこで、まず採ってはいけない人材タイプの特徴・捉え方を認識した上で、従来の原石を探し出すアプローチをとることが、採用の精度向上に役立つと考えます。
 前回は、リスクとして「パーソナリティ面」についてとりあげました。今回は、最近若い人で増えているメンタル不調リスクに焦点をあてて紹介します。

~ストレス耐性だけでは精度の面で不十分~

最近、「ストレス耐性」に着目した適性検査が出ています。そこでは、主に、ストレスを溜めやすい性格・気質かどうかをみていることが多いようです。
 生まれもった性格・気質でストレスを溜めやすいとは、例えば、「細かいことを気にしやすい」、「自分に自信がない」、「几帳面である」、「責任感が強い」などです、逆に耐性が強い=溜めにくいタイプとして、「楽観的」、「ずぼら」、「前向き」な性格などがあげられます。

 ですが、この手の検査を既に導入している企業に話を伺うと、精度面で期待したレベルにないと言われることが多いようです。また、ストレス耐性を軸に選別を行うと、楽観的でずぼらな人が多くなり、ハイパフォーマーの可能性の高い几帳面で責任感の強い人材を見過ごしてしまう事になりかねません。

 実は、企業が求めているのは、「ストレスを溜めやすい人」の見極めではなく、実際にメンタル不調を発症するリスクの高い人です。メンタル不調が発症するリスクに着目すると、ストレス耐性は一つの重要な要素ですが、実際の発症を精度高く予測するには、ロジックとして不十分です。

~不調が発症するリスクを見るには二軸で判断~

では、何を見ればよいかというと、ストレス耐性に加えて「対処能力」をみるべきです。「対処能力」とは、ストレスが溜まってしまった時に、それを発散できるかどうか、もしくは、ストレス発散が上手いか下手かをみるものです。
 この二軸で見るとことによりメンタル不調発症リスクを、より高い精度で見極めることが可能になります。つまり、ストレス耐性が低く(=ストレスを溜めやすく)、かつ対処能力が低い(=溜まったストレスを発散するのが下手)人です。ストレスは溜まる一方ですので、いつかその人のキャパを超えて爆発してしまいます。それが不調の発症です。
 一方で、ストレス耐性は低く、溜めやすいが、対処能力が高い人は、適度に発散できているので、発症率は高くありません。また、仕事の面ではハイパフォーマーとして活躍が期待される几帳面で真面目なタイプ(=潜在留意者)を救い上げることも可能になります。
第2回 採ってはいけない人材タイプ【Part 2】

~うつの背景に潜む幅広いリスクにも着目する必要~

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