HRプロ代表 寺澤康介が斬り込むキーパーソン・インタビューシリーズの第2回は、新思考の研修を取り上げる。インタビューするのはラーニングエッジ株式会社の菅 聡取締役。ラーニングエッジは教育の流通を行う会社。日本最大のセミナーポータルサイト「セミナーズ」を運営している。自らも大規模セミナーを開催しており、今年4月11~13日にかけて開催された「セミナーズフェスタ 2014 Spring @幕張メッセ」には世界的指導者のメンターであるアンソニー・ロビンズ氏が初来日し、6000人の観衆を集めた。
そのラーニングエッジが力を入れているユニークな研修がある。ハリウッド映画を利用した唯一の企業研修プログラム「ストーリーメソッド研修」だ。ストーリーメソッド研修は映画を使い記憶に残る講座を行うところがユニークであり、受講者の支持率が驚異的に高い。「顧客ロイヤリティ」を測る指標であるNPS(ネットプロモータースコア)のスコアでは、92%とほぼ満点に近い(普通は良くて50~60%程度)。なぜこのように支持率が高いのか? その謎にHRプロ代表 寺澤康介が斬り込む。

日本最大のセミナーポータルサイトを運営

「研修効果を長期間持続させる、映画を使ったストーリーメソッド研修とは何か」
寺澤 ラーニングエッジは「教育の流通会社」を標榜しています。まずこの「教育の流通」の意味と、設立の経緯を教えてください。

 ラーニングエッジは2003年の設立ですが、その前に代表の清水康一朗とわたしは米国会計系のコンサルティングファームに務めていました。2人とも勉強しなければならないことが多く、たくさんのセミナーに参加していました。しかし、当時は現在ほどインターネットが普及しておらず、セミナー情報を探すことが難しく、探せても良質かどうかわからなかったのです。セミナー主催者も大変です。PRの手段がなく、参加者を集めるにしても限界があったのです。
そこで我々は、参加者と主催者の両方が困っているところにビジネスモデルがあると考えました。セミナー情報のポータルサイトがあれば、参加者と主催者の双方にメリットがあります。そこでラーニングエッジでは、セミナーという教育を流通させる、「セミナーズ」というポータルサイトを立ち上げたのです。
多くのセミナー情報を掲載するために、掲載料金を無料にしました。その代わり「セミナーズ」からの申込に対し、成果ベースで一定の手数料をいただく仕組みにしたのです。
このビジネスモデルは成功し、累計のセミナー参加者数は10万人超、主催者数は6000社超と、日本最大のセミナーポータルサイトに成長したのです。現在の年間セミナー数は1万8000、年間参加者数は1万5000人から2万人です。

2014年春の「セミナーズフェスタ」の動員数は6000人!

「研修効果を長期間持続させる、映画を使ったストーリーメソッド研修とは何か」
寺澤 ラーニングエッジはセミナーポータルサイトの運営だけでなく、「セミナーズフェスタ」という大規模セミナーを開催されています。このように大規模なセミナーを開催するに至った経緯を教えてください。

 セミナーポータルサイトを運営するラーニングエッジが、他と同じようなセミナーを主催すると「競合」になってしまいます。そこで他ではできない海外案件を扱い、開催します。アンソニー・ロビンズ、ジェイ・エイブラハム、ブライアン・トレーシーなどの世界的スピーカーを講師として招いています。
また「7つの習慣」®の著者であるスティーブン・R・コヴィー博士が来日したときにも、フランクリン・コヴィー・ジャパンとセミナーを共催し、動員に協力しました。
これら海外のトップコンテンツを、国内で聴くことができるセミナーとして開催しているのがラーニングエッジの特長です。

設立3期目に世界的人脈ができあがる

「研修効果を長期間持続させる、映画を使ったストーリーメソッド研修とは何か」
寺澤 なぜ「セミナーズフェスタ」にそのような国際的な講師を招くことができるのでしょうか。

 われわれの主催イベントのコンセプトは「トップコンテンツしか扱わない」ことです。そのコンセプトを実現するための鍵は、偶然の縁でした。
話は8年前に遡ります。ラーニングエッジ設立3期目が終わりつつある2006年1月のミーティングで次の事業展開について話し合っていたのですが、そこに「リチャード・タンというシンガポール人の大物セミナープロモーターが来日するが、日本でのパートナーを探している」という情報が入りました。早速代表の清水とわたしはタン氏に会いに行きました。
タン氏はアジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカに拠点を持つ世界No.1のセミナープロモーターです。2006年1月に会ったときにタン氏は、「4月にオーストラリアでアンソニー・ロビンズのセミナーを開くが、日本人を連れて行きたい」と言うのです。そこで参加者を募集し、56人の日本人がセミナーに参加しました。
4月のセミナーに56人を動員したことが評価され、タン氏から「8月にマレーシアでジェイ・エイブラハムのセミナーを行うので協力して欲しい」と依頼され、67人の動員に成功しました。この成果からタン氏というインフルエンサーとのパートナー関係が始まったのです。
タン氏との縁は偶然でしたが、つねにアンテナを張っていたことが縁につながったのだと思います。今では、世界からほぼどんな講師でも呼ぶことのできる人脈のある会社に成長しました。

研修の内容を「ほとんど忘れてしまう」という課題

寺澤 「セミナーズ」からの参加者が 10 万人を超えるということは、それだけ多くの教育
ニーズが存在することを意味します。そして・・・


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人材養成の柱である研修の「欠点」に対して、どのように取り組むことで受講者の満足度を高め、成長につなげることができたのかなど、人事担当者必読の内容となっています。


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