仕事は何のためにやっているのかというと、究極のところ「お金を得るため」でしょう。
「働かないと、とりあえず生活が成り立たない、いい生活できない」という人が世の中ほとんどです。
そこに、「社会のため」だとか「理念実現」だとかを正論として乗せてくることを我々はやりがちなのですが、本音のところで「いや、生活のためです」というのを意識しないと、却っておかしくなると私は思っています。
何よりもまず、仕事は「自分が生きていくためのお金を稼ぐためにやっている」という前提があるのです。
ところが、「普通の生活を続けていくだけなら、何とかなってしまう」という人が増え、かつ、「いやなことはやらなくていい、自分の好きなことをやっていなさい」と教育されてきた世代がドドッと社会人なってきたものですから、困ってしまっているのが現実でしょう。
「やりたい仕事ではありませんでした」とか「大学院に入ります」とか「留学します」等、何を勘違いしてきたのか、「いやだ」と思ったらすぐに辞めてしまう新卒社員は後を絶ちません。
「生きていくために働く」という前提が崩れているので、「理念」とか「やりがい」とか「この仕事、楽しいよ」、「社会貢献できる」などということを全面に出していかざるを得ないというのが本質ではないかと思います。

さて、「仕事は『会社のためにしてやっている』のではなく『自分のためにやっている』のだ」という設問の回答傾向は、次のようになっています。

そう思う   40.7%
わからない  21.5%
そう思わない 37.7%

「自分のため」と明確に意識している新入社員は、わずか4割。この率はこの10年、ほぼ減り続けています。
なぜ、こうなっているのでしょうか?


私の感じている理由は、先ほどと重なりますが、
・「働く」ということは、何か自分のためだけではない、プラスの理由がないとできない、社会貢献したいと思っている。
・あるいは、「会社のためにがんばります!」といわなければ採用してもらえない、というように考えている。
・すごく冷めていて、「会社のためにいやなことやるんだから、お金ちょうだい」と思っている。


どれであってもあまり好ましくないですが、実感としてこのどれかのように思います。

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