NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の中で、非常に話題になったシーンがあります。
それは、海女のなつ(宮本信子)が、娘の春子(小泉今日子)に過去の事を謝るというシーンです。世間体を気にして、アイドルになりたいという娘の夢を応援できなかったことを、頭を下げ「許してくれ」と詫びたのです。
それ以来、ギクシャクしていた親子の関係が変化したことは言うまでもありません。
親が子供にしっかり頭を下げて謝るのは、勇気のいることですが、それによってお互いのわだかまりが消えて理解し合えるのだと、考えさせられるシーンでした。
これは、上司と部下にも言えることではないでしょうか?


明らかに上司として、自分の行動に落ち度があった場合、部下に謝ることができていますでしょうか?
人間ですから、誰でもミスはあります。また、感情的になって部下を傷つけるようなことを言ってしまうことも無いとは言い切れません。
その瞬間は「しまった・・・」と思いつつも、「まあ、時間がったら部下も忘れるだろう」と何もコメントせずに時間が解決するのを待ってしまう。
確かに、部下は何も言ってこないかもしれません。
しかし、確実に心の中には記憶として「理不尽な対応をされた」ということが残ります。


そのようなことが積み重なると、突然爆発することもありえます。
「○○課長は、以前もこのような事をしましたよね!」と理不尽な記憶がよみがえり、関係が悪化することも良くある話です。


やはり、自分に落ち度があった場合は、素直に謝るべきでしょう。
「すまん、私の判断が間違っていた」「ごめん、今回は言いすぎた」と。
謝った際は、もしかすると憮然とした表情をされるかもしれません。
しかし、部下の頭の中には「素直にミスを認めてくれた」「私に誠意を持って接してくれた」という記憶が残ります。
長い目で見ると、人間として正しい人であると認めてもらえるのではないでしょうか?
結局、上司と部下も人間対人間の付き合いですから、「人として尊敬できるかどうか」が重要です。


しかし、残念ながら謝れない上司が多いのが現実です。
そのため「あの課長は何なんだ」「おかしい」と不満が鬱積しているケースも多く見ます。
なぜ、謝れないのか?結局、「私は上司。部下よりも上の立場である」という驕りではないでしょうか?
上司と部下は、今や「上の立場、下の立場」という関係ではありません。
「マネジメントする役割」「実務を行う役割」という役割分担です。
役割分担であれば、その関係性をうまく維持するために、謝るべきときは謝ります。
しかし、上下と考えていると「私のほうが偉い。だから謝らなくてよい」という感覚が起こってしまい、プライドがじゃまして謝れないのです。


おかしなプライドは、マネジメントには不要です。
そのプライドがチームワークを乱し、部下のストレスを高め、成果の出ない状況に導く現況となるかもしれません。


おかしなプライド、持っていませんか?
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