金融緩和や大胆な成長戦略を掲げたアベノミクス、2020年の東京オリンピック開催決定など、景気のいいニュースにわいた2013年。一方、アルバイトやパートなどの採用現場は、人材不足に苦しめられた年でもありました。

2014年の採用状況は?また、人事・採用担当者が気をつけるべきポイントとは?人材に関する調査・研究、組織・人事のコンサルティングサービスを提供する株式会社インテリジェンスHITO総合研究所・社長執行役員の上土達哉氏が解説します。

2014年も人材を確保しにくい状況が続く

2013年を振り返ると、人手不足がさらに加速した1年だったのではないかと思います。これは、データにも顕著に現れています。労働市場の需給状態を示す指標として知られるのは、有効求人倍率。これは「有効求人数」を「有効求職者数」で割ったもので、求職者1人につき求人数が何件あるかを示しています。
第11回 人手不足の時代、2014年の人事・採用担当者に求められる視点とは?
第11回 人手不足の時代、2014年の人事・採用担当者に求められる視点とは?
パートの有効求人倍率(季節調整値)は、2009年8月を底にして緩やかに回復してきました。2011年後半から大きく伸びたものの、12年半ばからは伸びは停滞。このまま1.20前後で落ち着くかと思われていましたが、安倍政権に交代して以降、大きな上昇が続いています。

では、2014年はどうなるのでしょうか。

2014年は、消費増税などの影響はあるものの、人手不足が続くと予想されます。リーマンショック以降の急激な“人余り”の時代は終わり、“人手不足”の時代がやって来たのです。そのため、人事・採用担当者の方々は、意識を切り変える必要があります。

労働力の確保という観点のみで申し上げると、“人余り”の時代ならば、仮に従業員が離職しても採用で補えたかもしれません。しかし、“人手不足”の時代にはなかなか採用ができないため、従業員1人を失うコストは非常に高くなります。

そうした中で、いかに“賢く”採用するか。採用した人材の離職をいかに防ぐか。そして、適材適所をいかに実現するか。この3つが、今後の採用のカギを握ります。

これら3つは妙手や奇策ではありません。いわば当たり前のことです。しかしその当たり前を徹底できているかこそが人手不足の時代の明暗を分けるとも言えます。

年度計画を立て、計画的に採用する

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