「親父にもぶたれたことないのに」というのは、「機動戦士ガンダム!」でのアムロの有名なセリフですが、同様に昨今の若者は、叱られたり、ましてや、ぶたれたりしたことはほとんどないようです。
体罰はもちろん、教育上好ましいものではありませんので、学校で先生に叩かれるなどということはもうないのでしょうが、悪いことをして、叱られるという経験すらない、とすると、これはどんなものでしょうか?
 家庭においても、「友達家族」になってしまい、叱れない親が増えてきているのではないかと思っています。
子どもが間違ったことをしているのに、叱らない親がいたら、それはそれでおかしいと思います。「叱る」というのは、相手の成長を考え、何か誤った行動をしたときに、注意やアドバイスを「強く言う」行為です。
強く言われることで、その犯した(犯しそうな)過ちの重大さが伝わるのだと思います。
会社であれば、方針や指示に従わず、会社に損害(直接的金銭的な害だけではなく、風紀・秩序を乱したり、信用に傷がついたり)を与えそうなとき、上司は叱るのが当たり前、であると思うのですが、どうでしょうか・・・注意して行動が修正されるなら、注意で良いのですが、それだけで変われば苦労はしません。


「民主主義の社会では、上役が部下を叱るのは行き過ぎだ。
注意を与える程度にとどめるべきである」という設問の回答傾向は、次のようになっています。

そう思う    7.7%
わからない  14.8%
そう思わない 77.5%

2001年以降では、「そう思わない」の割合は、2001年に72.8%が最低数値で2011年に83.5%の最高数値を取るまで、ほぼ上昇傾向にありました。
しかし、2012年には、80.2%とこの二年、減少傾向にあります。
それでもほぼ8割近くが「叱られる」ことを期待しているかのようです。


しかし、残念ながら彼らは「叱られ慣れていない」ため、彼らの考える「叱られる」というものは、極めて軽い注意の段階であったりします。
ちょっと注意しただけで、「それって、パワハラですよね」と開き直るという話を聞いたことがあります。「~ハラ」と言う言葉に管理者は相当弱いですから、そこを突かれると、ひるんでしまうんですね、これが。


この設問で「そう思う」と答える「叱るのは行き過ぎ」と考える新入社員の他の設問への回答傾向から見える特性は、

・他人から悪く思われるようなことはやらない(迎合的)。
・仕事は所詮つらいものもの。だから、好きな仕事でないと、意欲を失う。

といった仕事観の誤りと思われるものがあります。
新入社員の意識傾向は、このような状態ですが、では、実際に叱るにはどうすればよいのでしょうか?

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