私は、様々な企業様の様々な職場にお伺いする機会がありますが、メンバーがイキイキと活動している職場と、メンバーに覇気が無くどんよりしている職場の違いは何なのだろうと常々考えてまいりました。
もちろん、職場によって理由は様々であり、一概に「これだ」と言えるものがあるわけではありません。

ただ、多くの「イキイキしている職場」に共通するのは、その職場のマネジャー(つまり、上司)が、メンバーを守るという意識が強いことです。
例えば、メンバーが仕事上のミスを犯してしまったとしましょう。
もちろん、直接的な責任はそのメンバーにあります。
当然、上司としては、ミスをしたことに対する注意や叱責といった指導を行います。
問題はその後です。「どんよりしている職場」の上司は、注意や叱責をしたら「後はキミが何とかしろ」と見放してしまいます。
表情や口ぶりから「お前のせいで、私が上から色々言われるかもしれない。
本当に迷惑な奴だ」という気持ちが透けて見えます。
上司がこのような人ですと、メンバーは「上司は我々を守ってくれない」「ミスをしたら大変なことになる」とリスクを恐れるようになります。
そのため、果敢なチャレンジをしない職場になってしまい、「いつもの仕事を」「いつものように」「ミスしないことが一番」というどんよりした空気が出来上がってしまいます。

一方、「イキイキしている職場」の上司は最後の最後にメンバーを守ります。
メンバーが他部門や上層部に誤りに行く際は、もちろん付き添い、「私の指導不足の責任です」「彼は、私の指示に従ったまでです」等とメンバーを守る発言をします。
目の前で頭を下げている上司を見て、メンバーはどう思うでしょうか?
申し訳ないと言う気持ちと共に、「この人のためにも、もっとしっかりしなくてはならない」と感じるはずです。
そして、「この上司は、最後の最後には自分達を守ってくれる人だ」という安心感が沸き起こります。

「この上司のためにもがんばろう」という気持ちが前向きな行動につながります。
また、「最後には守ってくれる」という安心感が果敢なチャレンジを湧き起こします。

勘違いしてはいけないことは、「何でもやってくれる、優しい上司」が「メンバーを守る上司」ではないということです。
基本的には、メンバーの自主性に任せます。
ミスの処理も自主的に行ってもらうのが基本です。
しかし、本当にメンバーが困っているときに、最後の最後に出て行って「私の責任です」と頭を下げてくれる。
このような行動が、「自分のことを信じてくれている。その上で、守ってくれている」という、メンバーの安心感につながるんですね。
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