よく、マネジャー研修のなかで「チームのコミュニケーションを良くするためのアイデア」を出していただきます。そこで、必ず出てくるのが「飲みニケーション」。
メンバーと一緒にお酒を飲みに行き、そこでざっくばらんな会話をするということです。 私がこの仕事を始めた頃は、「飲みニケーションか・・・、安易な考えだな」と思っていたのですが、飲みニケーションは馬鹿にできません。
コミュニケーションを高めるために非常に良い方法の一つです。
実際に京セラでは、経営者が現場を回り、お酒を片手に社員と語り合うという活動を長きに渡って実施しています。「現場トーク」「コンパ」等と呼ばれていますが、これもいわゆる飲みニケーションの一種です。

 飲みニケーションは、「お酒の力を借りて」語り合うという側面もありますが、重要なのは職場ではないところで語り合うという点です。
いつも仕事を行っている職場ですと、無意識に会話の範囲が制限されます。
「仕事に関係ない会話は、良くない」という感覚があるからです。
結果的に、「いつもの」「仕事に関する」「表面的な」会話で終わってしまうことも多い・・・。本音を話そうにも遠慮して話せないということもあります。
 一方で、居酒屋など、職場ではないところで気楽に話をすると、「制限」が解除されて、自由に話が弾みます。
そこに、お酒のパワーも加わって、「実は・・・」と本音を言いやすくなるのです。

 強いチームは、お互いの本音や悩みを理解し合っています。
だからこそ、自発的な助け合いが行われ、チームワークがますます強まります。
弱いチームは、お互いの本音を知りません。
そのため、ちょっとした誤解が生じやすく、いざこざが絶えません。
 本音や悩みをキャッチする絶好の場が、飲みニケーションというわけです。

 飲みニケーションを行うためには、飲みに行く必要があります。では誰が飲みに誘うのか?
 それは、もちろん我々上司です。
「でも、上司に誘われたら、部下が嫌がるのでは・・・」と思っている人もいるようです。
確かに、毎週のように誘っていては、煙たがられるかもしれません。
しかし、月に1~2回程度誘うのであれば問題ないのではないでしょうか?
また、飲みニケーションはその程度行えば十分です。

 以前、あるレストランの店長が、「毎月の店の反省会を、カラオケボックスで行っています。
反省会を1時間程度行い。その後、みんなで語り合いながら歌います」と言っていました。
気分を変えて本音を出し合うための、工夫だったのでしょう。
そのお店は、大変売上げがよく、絶好調でした。

 「今どき飲みニケーション?」と思わず、是非グラス片手に熱く語る場を大切にしてみてはいかがでしょうか?
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