文系の7割、理系の8割超は就活終了

内定を取得した学生に就職活動を続けるかどうかを聞いたのが[図表7](文系)と[図表8](理系)です。就活を終了すると答えている学生は、文系全体で69%、理系全体で85%にとどまります。つまり、残る文系の31%、理系の15%は現在の内定先に満足しておらず、今後もまだ就活を継続すると回答しているのです。
第77回 内定率の大学格差減少 ―― 「4月面接解禁」時代ほどの格差なく
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文系の就活終了者の割合は前年とほぼ同様ですが、理系は前年よりも終了する学生の割合が高まっています。「第1志望の企業に内定したので終了する」とした学生が、前年の61%から7ポイント伸びているためです。優秀な理系学生の争奪戦は、依然として文系よりも激しいものがあります。文系よりも理系のほうが就活終了者の割合が高いのは、複数社の同時受験ができない推薦制度を利用した応募者による差になります。
大学クラス別に違いを見てみると、文系、理系ともに就活を終了する学生の割合は上位大学で高く、「中堅私大クラス」「その他私立大学」では比較的低くなっています。文系を例に見ると、「旧帝大クラス」では「第1志望に内定して終了」が62%、「第1志望ではないが終了」が22%と、合わせて84%の学生が終了するとしています。これに対して、「その他私立大学」では「第1志望に内定して終了」が43%にとどまり、「第1志望ではないが終了」の18%と合わせても61%にしかならず、23ポイントもの差が生じています。「旧帝大クラス」の学生は内定先に満足、あるいは納得できているのに対して、「その他私立大学」の学生は現在の内定先に満足、あるいは納得できていない学生が多いということです。前述のデータで見たように、内定先の企業規模による差だけでなく、今回調査ではデータを取れていませんが、内定先の業種・業態も大きく影響しているものと思われます。
また、内定までのステップの違いもあるでしょう。上位校の場合には、リクルーターによる応募動機形成やフォローが実施されているケースも少なくありません。また、大手企業の場合には、講演型、座談会型、OB・OG懇談型、職種・部門別ブース型、仕事体験型など、複数の異なったタイプのセミナーを実施することでコミュニケーション機会を数多く設けるような施策を施しており、学生の不安感の払しょく、納得感の醸成に工夫を凝らしています。一方の中堅・中小企業にはそこまでのパワーはありませんので、ありがちな講演型のセミナーと2~3回の面接のみというケースが多くなります。内定学生のグリップ力には大きな差が生まれています。

文系の4割はまだ内定辞退をしていない

複数内定を取得した学生に、入社予定でない企業への内定辞退をすでに申し出ているかを確認したデータが[図表9](文系)と[図表10](理系)です。文系全体の39%、理系全体の22%はまだ辞退を連絡していない企業があると回答しています。
第77回 内定率の大学格差減少 ―― 「4月面接解禁」時代ほどの格差なく
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大学クラス別で見ると、辞退連絡が遅れている学生は、大企業からの内定が少ない「中堅私大クラス」や「その他私立大学」で多くなっています。上記の就職活動継続率の高い大学クラスとも一致します。例えば、まだ辞退を連絡していない企業がある学生の割合は、「中堅私大クラス」の文系で48%、理系では29%、「その他私立大学」の文系で50%、理系で44%といった具合です。これらの層の内定者には、まだまだ安心はできないということになります。一刻も早い内定者フォローによるコミュニケーション活動の実施が望まれます。
次回は、インターンシップと選考、内定の関係について見てみたいと思います。ご期待ください。

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