6月スタートが激減した面接開始時期

次に、面接について見てみましょう。面接開始時期を前年と比較したグラフが[図表7]です。「6月前半」に面接を開始した企業は前年の13%から5%に減少し、代わりに「4月後半」が前年の12%から17%に、「3月前半」が前年の5%から10%に増加するなど、前年よりも前倒し傾向が鮮明に現れています。「6月 面接選考解禁」を順守する企業は2年目にして早くも大きく減少しています。


第76回 学生は説明会・セミナーの絞り込み傾向、プレエントリーも減少傾向
面接選考を実施した(実施予定の)月を複数選択で回答してもらったのが[図表8]です。「5月前半」まではすべて前年よりも増加し、代わりに「5月後半」以降はすべて前年よりも減少しています。面接開始時期だけでなく、選考期間自体の前倒しも明らかになっています。


第76回 学生は説明会・セミナーの絞り込み傾向、プレエントリーも減少傾向

6月前半の内定出し開始は、文系と理系で異なる

最後に、内定出しの開始時期を文系と理系に分けて、それぞれ前年同期調査と比較したグラフが[図表9]です。まず文系ですが、内定出し開始時期で最も多かったのは「5月後半」(18%)です。前年トップだった「6月前半」は前年の21%から6ポインも減少して2位に。「8月以降」を予定する企業も前年の10%から4ポイントも減少し、内定出しが前倒しとなっていることを裏付けています。さらに、3月までに内定出しを開始した企業は前年の12%から18%へと6ポイントも増加しています。


第76回 学生は説明会・セミナーの絞り込み傾向、プレエントリーも減少傾向
第76回 学生は説明会・セミナーの絞り込み傾向、プレエントリーも減少傾向


理系の場合には、文系と違って「推薦」制度による時期の制約を受けるとともに、大企業を中心に修士の採用が多いため、選考時期が早まる傾向があります。前年と比較すると、「2月」が2%から5%へ、「3月前半」が3%から7%へ、「5月前半」が10%から12%へと増加しています。一方、「4月前半」は9%から5%へ、「5月後半」は15%から13%へ減少しています。文系では6ポイントもの減少となった「6月前半」は、推薦応募の学生がいるため理系では減少していません。それどころか推薦応募を増やしている企業の影響もあり、1ポイントではありますが微増となっています。
次回は、内定をめぐる大学格差の現状と、インターンシップと内定の関係などを見ていきたいと思います。ご期待ください。

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