女性の活躍を促進するためにするべき男性の意識改革とは

それではどうすればこのような男性の意識を変えることができるのだろうか。以下にいくつか例を挙げていく。

解決策1. イクボスになることが近道
女性活躍を推進する上で出産や育児は無視できない。そのため、男女平等の世代の人間が中間管理職になり、イクボスとなって働きかけていくことが男性の意識改革の近道となる。
ただし、イクボスの上の層の意識改革ができていないと、イクボスの人事評価が下がってしまう。企業によっては、「育休を積極的に取得させない上司の評価を下げる」という企業もあるが、そういったところはまだまだ少ない。育児に理解のない上司のもとで、女性は管理職になりたいとは思わない。そうした意味でも、ひとりでも多くのイクボスを育て、意識改革を進めていく必要がある。

解決策2. 男性も在宅勤務で育児参加をする
男性の育休取得に変わる解決策の1つとして、在宅勤務の促進がある。
育休は難しくとも、在宅勤務なら許可するという企業もあるだろう。最近では「働き方改革」の取組みとして、在宅勤務を導入し始めている企業も出てきている。まだその輪は小さく、また、ワーキングマザーだけを対象としている企業が多い傾向にあるため、対象を男性にも広げる必要もある。

「うちの会社は在宅できないので」とか、「この業種や職種は在宅できない」と諦めている方はとても多く、セミナーでもよく目にする。だが、大概の場合、情報セキュリティをクリアにすればスムーズに在宅勤務は展開できるのだ。営業のモバイルワーク導入をはじめ、私自身も介護をするために在宅勤務を取り入れるなど、20年も前からこのような手法を導入してきた経験から、在宅勤務の導入支援コンサルティングを数多く行ってきた。情報セキュリティをクリアにすることで導入ができるという話をすると、多くの方が納得し、在宅勤務導入のための具体的な相談をされることがほとんどだ。

このように在宅勤務導入は難しいことではない。
在宅勤務は、その対象範囲を広げることで、男性の育児参加につなげ、そして女性の活躍推進につなげることができる。更には、仕事の生産性の向上など様々な効果も得られるのだ。

また、評価という点では、在宅勤務を導入することで、女性の職場復帰への後押しとなることはもちろんのこと、業務の生産性向上にもつながる。そういった点を評価項目とすれば、管理職の在り方が変わってくるのではないだろうか。部下からも信頼され、女性の活躍も促進される。また、女性から憧れられる上司になれば、管理職を目指す女性も増えていくだろう。

女性が活躍するために取組むべきこと

今までお話したことをまとめると、
・男性の育児休暇を認めること、育休復帰後の評価を適正にすること
・団魂ジュニア世代がイクボスになること
・在宅勤務を導入し男女問わず在宅勤務ができる環境にすること
・イクボスの上司にあたる管理職は適正にイクボスを評価すること

もちろん、上記のことだけでなく、これまでこのコラムでお話しをしてきた長時間労働などの問題も解決しなければならない。
※参照
第7回 長時間労働(前編)第8回 長時間労働(後編)


これらを変えていくことで、女性が活躍できる環境ができるのだ。
ますます労働人口が減少してく日本、企業は積極的に女性が活躍できる取組を行う必要がある。
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