近頃、「人材育成プログラムや、選抜プロセスの見直しにあたり、『外部視点も取り入れた方が良いのでは』という声が社内であがるが、どのような方法があるだろうか」というお問い合わせが増えています。多くの企業が、上司や現場の推薦に加え、筆記試験・論文、幹部面接などのしっかりとした仕組みで人材の選抜を行っているなか、なぜ最近「外部視点」が意識されるようになったのか、今回はこのテーマについて考えてみたいと思います。
第4回 アセスメントを効果的に活用する

外部視点を取り入れるメリットとは

前述のように、多くの企業が「現場の上司や同僚がその人材を一番良く知っている」という観点で人材の選抜を行ってきましたが、長年採用されてきたこの方法を、見直す企業が増えています。
企業を取り巻く環境変化に対応すべく、人材の選抜基準を市場ニーズや各ポジションの役割と調整する必要性が出てきたことが大きな理由ですが、「会社でのステップアップより、興味がある領域で経験を積む方がよい」「仕事よりも日々の生活(ライフ)の充実がより重要」という価値観の働き手が一昔前と比較すると増えてきたという、働き手側の変化も理由のひとつに挙げられます。
このような「時代の変化」を考慮した人材選抜において、企業サイドが工夫できることのひとつは、組織戦略に沿った人材要件の調整、もうひとつは、周囲(関係者)の評価だけにとどまらない候補者の価値観やキャリア展望も考慮したうえでの選抜を行うことが考えられます。

外部視点の導入を検討する企業が抱える具体的な課題として、「選抜後の育成プログラムと業務の両立がうまくいかない、または成長が見られない」「選抜結果に対する働き手の納得度を高めたい」というものが多くを占めます。
外部視点の導入により、選抜された人は意欲的により組織に貢献する人材へ、選抜されなかった場合は結果に納得し、次のチャンスに向けて更なるスキルアップを目指してくれるような仕組みをつくりたいというニーズが読みとれます。

こういったご相談をいただいた際、弊社では代表的な例として、簡易版アセスメントセンター、市場価値診断、グループアセスメントによるコンピテンシー診断などのサービスをご紹介しております。これらのサービスを活用いただくことで、弊社のアセッサーが第三者の立場で候補者の活躍の可能性を予測することに加え、各候補者のキャリア展望や価値観をより明確にすることが可能となり、無理のない人選・育成を行うための参考材料をご提供いたします。また、それぞれのサービスとあわせて性格テストも導入した場合、候補者の性格や特徴を明確にすることで、その人材が本来保有している価値観や、行動傾向をより正確に予想することが可能です。

サービスの特徴/導入例

■簡易版アセスメントセンター
<実施内容>
ビジネス演習、インタビューの他に自己回答形式のアセスメントツールや周囲のフィードバック(180度診断や360度診断)を組み合わせ、総合的に評価

<導入例>
・昇進昇格判断の際の外部視点による評価として(判断時の参考情報として活用)
・役職定年制度・役職任期制度を導入している企業の、対象者の役職継続の判断を行う際の社外視点による審査として

■市場価値診断
<実施内容>
対象者が事前にキャリアシートを記入。記入済みのキャリアシートとインタビューにより対象者のキャリアの市場性を評価、または特定のコンピテンシーに基づき評価

<導入例>
 ・昇進昇格判断時の外部視点による評価として、対象者のキャリアの市場価値を診断
 ・昇進昇格時の外部視点による評価として、対象者をコンピテンシー評価

■グループアセスメントによるコンピテンシー診断
<実施内容>
複数のビジネス演習(業務処理や戦略立案演習、対人スキル診断演習、グループ討議)を集合研修形式で実施

<導入例>
・昇進昇格の一次試験合格者に対し、昇格後のポジションにおける活躍の可能性を予測するためのビジネス演習を実施。強みや自己啓発ポイントを候補者が自身で理解することを促す
これらのサービスは、昇進昇格時の参考情報の1つとして活用するほか、育成目的でも活用されています。なお、余談になりますが、マンパワーグループの最新の調査において、「これからの時代に成功するリーダー」に必要な要素として挙げている特徴は、“適応性が高い”、“意欲的で行動力がある”、“忍耐強い”、“聡明である”という4項目です。この4項目を測定する性格テストも近々完成する予定です。ご興味がございましたら、是非一度お気軽にお問合せください。
■人事コンサルティングに関するお問合わせ
マンパワーグループ株式会社 ライトマネジメント事業本部
TEL:0120-923-187
http://mpg.rightmanagement.jp/consulting/
  • 1

この記事にリアクションをお願いします!