今回紹介する「社員の印象がよい企業 ランキング」はHR総研が楽天「みんなの就職活動日記」と共同で、6月下旬に就活生を対象に行った「印象のよい社員・リクルーターがいた会社」についてのアンケート調査結果だ。設問は「OB・OG訪問の有無をかぎらず、あなたが就職活動中に対応してもらった社員・リクルーターの方のなかで、印象が良かった企業を1社挙げてください」というものだ。文理に分けて上位企業を紹介しよう。

1位の三井住友銀行は、緊張をやわらげる配慮

まず文系で社員印象度が高い企業20位(21社)だが、金融・生損保・証券・商社が多い。1位の三井住友銀行は38票を集めており、ダントツ。JALは4位(18票)と19位のANA(7票)はこの種の就職人気ランキングでは定番企業だ。
 JR東海も入っているが、リニアモーターカーの報道が影響しているのかもしれない。メーカーでは旭化成と富士通が文系学生から好印象を持たれている

 1位の三井住友銀行に対する学生コメントから紹介しよう。
「親切だった」(東京外国語大学、文系)
「合同説明会でとても気さくに話しかけていただいて、選考に関係のない就職活動全体の相談にものっていただいたから」(近畿大学、文系)
「学生に対してフレンドリーに接してくださった」(甲南女子大学、文系)
「フレンドリーだったから」(東京外国語大学、文系)
「非常に親身に相談に乗っていただいたため」(京都大学、文系)
「親身になって相談にのってくださったから」(明治学院大学、文系)
「仕事への熱意が他行と明らかに違うことを感じられたから」(成蹊大学、文系)
「真摯に向き合ってくれた」(明治大学、文系)

 目立つ言葉は「親切」「気さく」「フレンドリー」「親身「熱意」「真摯」。学生の言葉を読むと、緊張をやわらげる配慮が行き届いているように思える。

2位のJTBグループで目立つのは、高いコミュニケーション能力

2位の22票を集めたJTBグループへの評価で目立つのはコミュニケーション系の言葉だ。
「説明会の後にOBの方と話す機会をたくさんとってくれたので、たくさん質問できた」(関西外国語大学、文系)
「質問がどんなに殺到しても、一人一人に丁寧に答えていただいた」(尚絅学院大学、文系)
「社員の方が沢山の質問にお答えして下さった」(甲南大学、文系)
「真剣に話を聞いてくれた。親身になって対応してくれた」(同志社大学、文系)
「企業説明会で出会った社員の方全員が、笑顔で対応してくださった」(関西学院大学、文系)
 「たくさん質問できた」「丁寧に答えていただいた」「丁寧な対応だった」「真剣に一緒に考えてくれた」などの高い対応能力に若い就活生が感激している。旅行業なので相手の気持ちを考え、質問に答えるのに長けているのは当然かもしれない。

3位のみずほフィナンシャルグループは社員の人間力

3位は21票のみずほフィナンシャルグループだ。
「社員の皆さんが大きな声で爽やかに挨拶してくれて気持ちが良かった」(甲南大学、文系)
「はきはきしていて、さわやかだった」(名古屋大学、理系)
「イキイキとしていたし、全ての社員の方が話しやすい感じがした」(京都女子大学、文系)
 目立つ言葉は「爽やか」「はきはき」「イキイキ」で、学生に接した社員の人間力が評価されているようだ。

 学生が企業を評価する理由は似通ってくるが、上位3社へのコメントを読むと中身はかなり異なっているようにも思える。ただし「優しさ」「心遣い」などの要素は共通している。
 4位の日本航空(JAL)には、「表面上や形式上でない、本物の心からのおもてなしを初めて感じ、感動した。それだけでなく女性の強さ、厳しさ、責任を感じ、こんな大人の女性になりたいと初めて思った」(龍谷大学、文系)、損害保険ジャパン日本興亜には「笑顔が素敵で優しかったから。」(昭和女子大学、文系)というコメントがある。

とにかくかっこいい旭化成

メーカーを文系学生が評価する理由を見てみよう。旭化成は15位(8票)で、富士通は19位(7票)だ。文系学生は旭化成について「優しい」「熱意があった」「丁寧」、富士通についても「親切」「親身」「優しい」と書いているが、メーカーの良さが出ているように思える。
 以下のように旭化成を絶賛する声もある。どの就職人気ランキングでも旭化成への評価は高いが、その理由がよくわかる。
「とにかくかっこいい。3人の社員の方とお会いしたが、全員非常に頭の回転が速く、話していて面白い。会社や社員に対する理解だけでなく、働くという事、社会人になる事の意義を考えるきっかけになった。また、他社から内定が出て旭化成を辞退する旨を伝えた後も会う機会を設けてくださり、他社の選考や今後の学生生活のアドバイスをくださり、本当にいい会社だと思った」(大阪大学、文系)。

[社員・リクルーターの印象が良かった企業:文系]30位まで

2018卒就活生が選んだ「社員の印象が良い企業」ランキング

理系学生の好印象ランキングは製造業と情報通信業がほぼすべて

理系学生のランキングでは製造業と情報通信業がほぼすべてで、運輸業のJR東海も7位(6票)に入っている。
 1位はトヨタ自動車と日立製作所(ともに16票)、3位がパナソニック(13票)は順当な顔ぶれだ。NTTグループの人気は根強く、5位にNTTデータと西日本電信電話(NTT西日本)、12位にNTTコムウェアが入っている。
 食品やトイレタリー製品のメーカーも評価されており、今回のアンケートでは7位にカゴメ(6票)、12位にライオンと味の素(ともに5票)が入っている。

理系学生の好印象の理由は、ESや面接などの実技指導

これらの企業が理系学生に評価されている理由だが、「面倒見」が目立つ。トヨタ自動車は学生のために多くの時間を割いて指導しているようだ。
「内定までしっかりサポートしてもらえた。時間を割いてもらって、ESの内容などをチェックしてもらえた」(奈良先端科学技術大学院大学、理系)
「OBのリクルーターが毎週学校に来てESの添削や話をしてくれた。優しく、時に厳しい指摘を頂けた」(明治大学、理系)
「ESの添削を親身に行ってくれたから」(京都大学、理系)

 面倒見の良さでは日立製作所も負けていない。兄貴分として後輩をかわいがっている。
「弟のように可愛がってくれた」(同志社大学、理系)
「ESの添削や面接の練習をしてもらえたため」(電気通信大学、理系)
「エントリーシートの添削に関してダントツで良かった。この先輩社員のようになりたいと思ったから」(京都大学、理系)
「担当のリクルーターがついてくれてES等を丁寧に添削してくださる」(大阪大学、理系)

 パナソニックはESだけでなく、面接の指導や資料づくりまでサポートしている。
「面接のための資料作りやESの添削を丁寧にしていただいた」(大阪大学、理系)
「面接の練習でかなりのフィードバックがもらえたため」(京都工芸繊維大学、理系)
「他企業が第一志望だったのにも関わらず、ESの添削や就活の相談など親身になって対応してくれたから」(熊本大学、理系)
「プレゼン内容の資料を添削してくれた」(大阪大学、理系)

 丁寧な応対は4位以下の企業でも目立つ。4位デンソーは自動車部品世界シェア第1位の企業だが、「非常に親身になって話を聞いてくださり,質問にも誠実に答えていただけたため」(九州大学、理系)。
 5位 NTTデータは日本のITサービス産業最大手企業だが、「ご自身の体験談も踏まえながらこちらの本当の意思をしっかり引き出そうとしてくれた」(上智大学、理系)と親切、親身だ。
 このように見ていくと、文系学生よりも理系学生に対するサポートが手厚いが、研究室という縦の関係が強いことが関係しているからだろう。

[社員・リクルーターの印象が良かった企業:理系]18位まで

2018卒就活生が選んだ「社員の印象が良い企業」ランキング

【調査概要】

調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査協力:『楽天みん就』
調査対象:2018年卒業予定の就活生(学部生、院生)
調査方法:webアンケート
調査期間:2017年6月19日~6月26日
有効回答:2,513名(文系 1,566名、理系 947名)


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