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調査レポート

HR総研:「働き方改革」への取り組み実態調査【1】全般:取り組みと効果・課題
4社に3社が取り組み中・予定中。75%は効果がでていると回答

安倍内閣では日本企業の課題である長時間労働の是正をはじめとした「働き方改革」に取り組んでいる。効率的で多様な働き方が広がることで働きたい人が働ける社会を実現し、ホワイトカラーの生産性向上と、個々人が仕事と暮らしの調和をとっていくことにより、日本経済の活性化を図ろうとするものだ。この度HR総研では、「働き方改革」についてHRプロ会員企業ではどのような取り組みが行われているのか、アンケート調査を実施した。
その結果、「働き方改革」に取り組んでいたり、検討・予定しているのは76%で、4社に3社が何らか取り組んでいることになる。

今回の調査では大きく「働き方全般」「労働時間」「休暇取得」「多様な働き方」にわけて質問した。今回は、「働き方全般」についての調査結果を報告する。

働き方改革に取り組んでいる・検討・予定中なのは全体で76%
まず「働き方改革」全般について取り組んでいるかを聞いた。働き方に関する取り組みであれば、「働き方改革」という名称でなくても構わない。
全体でみると、62%が「取り組んでいる」と回答し、「取り組みを検討中・予定中」が14%だった。検討・予定も含めて全体では76%、4社に3社はなんらかの取り組みもしくはその検討・予定をしていることがわかった。
一方、13%が「取り組む必要があるが余裕がないため取り組んでいない」と回答している。「特に大きな問題となっていないので取り組んでいない」が10%、「すでに十分働きやすい環境なので取り組んでいない」という企業も、わずか1%ではあるが存在した。

〔図表1〕「働き方改革」に取り組んでいるか(全体)
しかし、すでに「取り組んでいる」企業を規模別に見ると差異が大きい。1001名以上の大規模企業では、83%が「取り組んでいる」である。ところが301〜1000名の中堅規模では57%、300名以下の中小規模では49%であり、約半数しかすでに取り組んでいない。
大企業ではすでにほとんどが取り組んでいるが、中堅・中小では取り組み済みが約半数と言えるだろう。


〔図表2〕「働き方改革」に取り組んでいるか(規模別)
取り組み内容の最多は「労働時間の短縮」
「働き方改革」に取り組んでいる企業は、具体的にどのような内容なのかを聞いた。第1位は「労働時間の短縮(ノー残業デー、朝型勤務、深夜残業禁止など)」で81%だ。第2位は「休暇の取得推進(時間単位有給休暇、有給休暇取得促進、フォロー体制整備など)」で68%、第3位は「育児・介護支援(休暇・休業制度の充実、取得奨励など)」で59%となった。安倍内閣の旗振りの効果もあり、「労働時間の短縮」には多くの企業が取り組んでいることがわかった。
日本企業のホワイトカラーの生産性が低いことは様々なところで言及されているが、「仕事の進め方の見直し(業務プロセス改善、ITツール導入、会議時間短縮など)」に取り組んでいる企業も52%と半数を超えている。また、「多様な働き方(在宅勤務、テレワーク、フレックス、短時間制など)」が49%、「ダイバーシティ/女性活躍推進(多様な採用、女性管理職登用など)」が48%と、多様な働き方やダイバーシティに対しても約半数が取り組んでいる。
一方、「高齢者雇用(雇用推進、定年の66歳以上への引き上げなど)」への取り組みは21%であり、他の施策と比較すると取り組みが進んでいないことが判明した。

〔図表3〕どのようなテーマに取り組んでいるか
約7割は取り組みの効果がでていると回答
「働き方改革」に取り組んでいる企業は、その効果がでているだろうか。「取り組んでいる」と回答した企業に「取り組みの効果は総じてどのようにお考えですか」と質問したところ、「大きな効果がでている」は11%、「少し効果がでている」が58%であり、あわせて69%が何らかの効果がでたと考えている。


〔図表4〕取り組みの効果はでているか
効果は長時間労働の抑制・業務効率化・多様な人材の活躍、そしてコスト削減
「働き方改革」に取り組んで、どのような効果があったのかを聞いた。最多は「長時間労働が抑制できた」70%である。これは、取り組みのテーマのなかで労働時間の短縮が約8割であり、そうした企業で効果が出ているからである。第2位は「業務効率化・生産性向上ができた」と「女性・多様な人材が活躍できるようになった」で40%だ。そして第3位が「コスト削減ができた」30%となった。コスト削減は、労働時間の抑制や業務効率化など様々な施策から導き出された結果であろう。
「従業員の満足度が向上した」(28%)や、「社内コミュニケーション・人間関係が良くなった」(14%)は、それらの向上自体を目的とした活動というよりも、働き方改革を進めていくなかでの副産物と言えるかもしれない。「従業員の心身の健康におけるリスクが低減した」(27%)も、労働時間短縮や多様な働き方推進などにより、複合的にもたらされた結果と言える。
「より優秀な人材を採用できるようになった」(7%)、「従業員の視野が広がりイノベーションが起きやすくなった」(3%)は、数字としてはまだまだ低いものの、「働き方改革」によってこれらの効果をもたらすことができている企業があることを証明している。採用ブランドの構築やイノベーションなど、「働き方改革」は採用戦略や経営戦略にも貢献する施策として捉えることもできると言えそうだ。


〔図表5〕取り組みによりどのような効果がでているか
取り組み成果を上げるための課題は管理職・従業員の意識改革
「働き方改革」に「取り組んでいる」「取り組みを検討中・予定中」と回答した方に、「働き方改革に取り組んだり、さらに効果を出したりするうえで課題は何ですか」と質問し、3つまで選択してもらった。
その結果、第1位になったのは「管理職の意識改革や取り組み促進」が56%、第2位が「従業員の意識改革や取り組み促進」53%となった。管理職、従業員で大きな差異はでていないが、いずれも「意識改革」が必要であるということだ。
第3位は「業務量に対する適正要員の確保」36%、第4位は「『働き方改革』に対する経営の理解・推進力」で34%であった。経営陣の理解・推進力に対しては、約3割の企業が課題を感じているということになりそうだ。
「『働き方改革』の取り組み方針や目標の明確化」については、全体では34%であるが、1001名以上の大規模企業では44%と高くなっている。大規模組織になると、推進のために方針や目標を明確にして浸透させていかないと、取り組みがうまく進展していかないということだろう。
「就業規則や労使協定の変更手続きの負荷」はわずかに4%である。人事にとっては実務として発生するものの、それを負担と感じることはほとんど無いようだ。

〔図表6〕「働き方改革」に取り組んだり、さらに効果を出したりするうえで課題(3つまで選択)
【調査概要】
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:上場および未上場企業人事責任者・担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2016年10月5日〜10月20日
有効回答:252件(1001名以上:77件、301〜1000名:65件、300名以下:110件)
【調査概要】
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:上場および未上場企業人事責任者・担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2016年10月5日〜10月20日
有効回答:252件(1001名以上:77件、301〜1000名:65件、300名以下:110件)