選考解禁日が8月1日から6月1日に2カ月間の前倒しとなり、採用広報期間が短期化した2017年卒採用。前年と比べて何が起こっているのか、企業の新卒採用担当者調査、学生の就活動向調査の両データから読み解く4回シリーズ。
第4回目は、2018年新卒採用に向けて、重要となる施策、インターンシップ、面接開始時期、内定出し開始時期について見てみたい。

インターンシップが重要施策のより上位に

【企業】
2018年卒採用において、より重要になると思う施策を選んでもらったところ、トップは昨年に引き続き「学内企業セミナー」の45%、次いで昨年は4位だった「インターンシップ」が42%と続く。3位には昨年2位の「自社セミナー」(33%)、4位には昨年3位の「キャリアセンターとの関係強化」(32%)と続き、依然として「大学対策」が重要施策の上位に位置している。ただ、注目すべきは、やはり4位から2位に躍り出た「インターンシップ」であろう。3月1日の就職ナビ正式オープンからの採用広報では他社に出遅れてしまうとの危機感が強くなっている。3月以前に何をするか、どう学生にリーチできるかに課題が移っていると言える。

【図表1】2018年新卒採用でより重要になると思われる施策

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

【企業】
では、そのインターンシップに企業はどう取り組もうとしているのかを見てみよう。まずは開催予定だ。6月末の時点で、インターンシップの実施が決まっている企業は全体では5割。13%は、昨年までは実施していなかったものの今年から実施しようとしている企業である。一方、「これまで通り実施しない」と決めている企業は24%に過ぎず、実施を検討している企業(=未定)が23%もあり、実施企業はさらに増える可能性が大である。
大企業はもともと実施している企業の割合が多かったが、今年は中小企業でも「(今年から)実施する」企業が19%もあるなど、実施する企業は4割を優に超える。

【図表2】インターンシップの実施予定(従業員規模別)

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

さらに拡大する1dayインターンシップ

【企業】
実施するインターンシップのタイプ(期間)を過去3年間で比較したのがこちらのグラフである。昨年大きく伸びた「半日タイプ」「1日タイプ」はさらに増え、逆に「1週間タイプ」は減少している。「1日タイプ」は4割以上の企業で導入するとしている。一方、昨年減少した「2週間以上」の長期タイプが、今年はまた増える傾向にあり、インターンシップが超短期と長期の二極化傾向にあると言える。

【図表3】実施するインターンシップのタイプ

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

6割の企業が選考と連携

【企業】
次に、インターンシップと選考の関係を聞いたグラフがこちらである。過去3年間の推移を見てみると、今年は「インターンシップ参加者だけを選考対象とする」企業が昨年の3%から11%へと大きく伸びた。「インターンシップ参加者のうち、優秀な学生は考慮する」とする企業は昨年と同程度ではあるが、こちらの49%を合わせれば6割の企業は選考と何等か紐づけると回答している。インターンシップはあくまでもキャリア開発支援であり、自社の採用とは全く関係ない(一切考慮しない)とする企業はわずか7%に過ぎない。少なくとも昨年、今年あたりに新しく実施する企業は、採用活動の一環としての早期接触を目的としている企業が大半であり、今後もこの傾向はより強くなっていくであろう。

【図版4】インターンシップと選考の関係

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

今後まだまだ増えるウィンターインターンシップ実施企業

【企業】
インターンシップの実施時期を聞いたところ、現時点では「8月」「9月」のサマーインターンシップが、「1月」「2月」のウィンターインターンシップを上回っているものの、先に見たように23%もある「未定」の企業がインターンシップを実施するとすれば、準備・募集期間を考えれば実施時期は秋以降しか難しい。「8月」「9月」の数値はこれ以上伸びる余地は少ないが、秋あるいは「1月」「2月」については今後まだまだ伸びる余地はある。夏に実施する企業が冬にも追加で実施することもあり、「1月」「2月」がピークになることは間違いない。

【図表5】インターンシップの実施時期

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

「4月」までに選考開始の企業が7割

【企業】
面接開始時期の予定を見てみよう。全体で最も多いのは「4月」スタート企業で26%、次いで「3月」スタート企業の23%、この2カ月間に面接を開始するだろうと考えている企業がほぼ半数ということになる。「2月」までに面接選考を始めるとする企業も2割近くあり、「4月」までに実に7割近い企業が選考を始める見込みだ。「6月」スタートとする企業は12%しかない。

【図表6】面接開始時期(全体)

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

従業員規模別に見たグラフがこちら。「6月」スタートとする企業は大企業が最も多いが、それでも2割に満たない。大企業でも最も多いのは「4月」で34%と3分の1にもなる。「3月」に始めるとする企業も22%と多く、解禁日直前の「5月」からとする企業は9%しかない。
中堅企業は「3月」が27%と最多で、「4月」と「5月」が20%で並ぶ。中小企業の中には、最初から「7月」「8月以降」のスタートを予定している企業もある。

【図表7】面接開始時期(従業員規模別)

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

面接開始時期を早める企業は2割

【企業】
今年との比較で面接開始時期が「早まる」としている企業は22%。大多数の企業は今年並みの選考開始時期を予定している。22%という数字を多いとみるか、少ないとみるか。ちなみに「早まる」とする企業は、大企業と中小企業で比較的多くなっている。今年、大企業よりも早めに選考を開始したものの、後からの内定のひっくり返しに苦戦した中堅企業では、さらに早める動きは少なくなっている。「遅くなる」とする企業はわずか1%にとどまる。

【図表8】面接開始時期の対前年比

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

内定出しの開始時期は5月、内定出しのピークは6月

【企業】
最後に、内定出しの開始時期について見てみよう。まずは全体の動向であるが、最多は「5月」の26%、次いで「4月」23%、「6月」19%が続く。「3月」までに内定を出し始める企業も17%ある。このグラフはあくまでも出し始めの時期であり、その後1~2カ月は内定出しが続くことになる。ピークは今年同様「6月」になるだろう。

【図表9】内定出しの開始時期(全体)

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

内定出しの開始時期を従業員規模別に見てみよう。大企業では「5月」が41%で最多となっている。次いで「4月」の28%で、「6月」は16%にとどまる。中堅企業は「4月」の33%が最多で、次いで「5月」の22%。中小企業は中堅企業よりも遅く、「6月」の24%が最多で、「5月」の21%が続く。大企業が落ち着いてからの「8月以降」とする企業が15%もあるのも中小企業の特徴である。

【図表10】内定出しの開始時期(従業員規模別)

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

内定出しも2割の企業が早めることを予定

【企業】
今年との比較で内定出しの開始時期が「早まる」としている企業は19%。内定出しのタイミングは、当然面接開始時期と連動するため、「早まる」とする企業が多いのは大企業と中小企業で、中堅企業だけでみれば、「早まる」とする企業は10%しかない。かといって「遅くする」企業は、面接と同様にわずか1%しかない。

【図表11】内定出し時期の対前年比

「2017年新卒採用 選考解禁後の動向」調査結果【4】

【調査概要】

■企業調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:上場および未上場企業の新卒採用担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2016年6月22日~6月29日
有効回答:149社

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