何らかの理由で体調を崩し(特にメンタル面)、その後職場に復帰した場合に、ある職場ではそのまま体調を再度崩すことなく業務に就くことができ、ある職場では何度も休職と復職を繰り返すというケースがある。
不調者が再発する上司の言ってはいけない一言とは

上司の言ってはいけない一言

要因はさまざまで、もちろん復職する人そのものの要因もあるのだが、今回は会社側の要因の一つとして、上司の言ってはいけない一言を紹介したいと思う。

復職する部下に対して言ってはいけない一言、復職する部下にとって言ってはいけない一言、それは...

「あっそういえば今日復職するんだっけ?」

である。

この一言は、それまで体調回復に努め、頑張って復職に向かっていて、復職にあたり不安でいっぱいの方の心をたやすく折ってしまうのだ。
「自分なんて復職を期待されていないんだ」、「自分なんてどうでもいいんだ」、とかなりネガティブなメッセージを感じさせてしまうことが多いのである。

また、このような不用意な発言をする上司というのは、本当に部下のことを考えておらず、他の面でも気遣いが足りず、状況を悪化させてしまいがちだ。

この一言だけではないのだが、まずは部下の方が大切に思われている、この職場でもう一度頑張ろう、と思えるような対応を心掛けたいものである。

復職者への望ましい対応について

・朝、復職者が出社したときには、職場の人から「久しぶり!」など話しかけてあげる

・休み中に起きたトラブルはあまり話題に出さない

・飲み会などに誘わない(ケースにもよるが少なくとも2,3か月は控えることがよいケースが多いだろう)

・朝礼などがある場合は、事前に上司から一言だけ「ご心配おかけしました」など言うことをきめて朝礼に臨む

・最初は時短の場合は終わりの時間の5分前ごろには、上司から「そろそろ片づけ始めて」など声掛けする

があげられる。

上記を事前に伝えることにより、職場での“腫れ物に触る”ような雰囲気も少なくなり、復職がうまくいく可能性が高まるだろう。

一方で、体調不良が既得権益になってはならない。体調が悪くて配慮が必要な部分(これもそれほど長期には配慮することは逆効果になりかねない)と、そもそも本人の好き嫌い(この仕事はやりたくない等は、体調が悪かろうがよかろうが統一の取り扱いにすべきである)は対応をきちんと分ける必要があると言える。

この部分を曖昧にしていると、体調が悪い人が職場のルールブックになり、一生懸命頑張っている人が損をしてしまう、といった悪循環の職場になりかねない。



そうすると、上記のような悪循環が生まれ、職場力が低下してしまう。
万が一体調を崩した時も、きちんと休んで最終的には復職し、また活躍できる風土をつくることにより、現在頑張っている人もより頑張れるようになると思う。

復職する人を受け入れる職場の上司にはぜひ、このことをお伝えいただければと思う。

Office CPSR臨床心理士・社会保険労務士事務所 代表 
一般社団法人ウエルフルジャパン 理事
産業能率大学兼任講師 植田 健太

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