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社員が辞めない組織を作る、人事労務3つの改善ポイントとは?

2013/11/29

厚生労働省の若者雇用関連データ「新規学卒者の離職状況」で、平成22年卒業者の3年後の離職状況を見ると、高校卒、短大卒、大学卒すべてにおいて30%を超えている。

 ずいぶん以前から「3年で3割辞める」とは言われているが、いったいなぜ社員はやめていくのだろう。
 もし社内のプロジェクトが失敗すれば、その原因を検証し、改善策を講じる。でも新規学卒者の3年で離職する割合が3割というのはもう何年も続いている。辞めてもすぐ人を採用できるから問題ない、という会社には関係のない話だが、そもそも社員が辞める本当の理由は検証できているのだろうか。
 辞める社員はすべてが問題社員というわけではなく、そもそも辞めたいと思って入社する人はいない。それでも辞めるという事実。
今度こそ辞めない人を採ろうと、毎年募集広告を出し続けていくのが正解だろうか。
 この機会に、辞めない人材を探し続けるより、辞めてしまう理由を改善してみてはどうだろう。会社を辞める本当の理由としてよく言われているのが
・お金
・やりがい(評価に納得いかない)
・人間関係や組織・風土
の3つである。常にトップ3とは言わないが、必ず上位に顔を出す理由である。特に最近では職場の人間関係を理由として退職する人が増えている。上司、同僚とのコミュニケーション不足、パワハラ、セクハラなどがすぐに頭に浮かぶが、職場のストレス要因にあげられるこれらは、メンタルヘルス不調の増加の引き金ともなっている。上であげた代表的な退職理由3つを改善すれば、社員が定着し、人が辞めない組織に変わるのではないだろうか。

 ここに人事労務の代表的なツールとして、就業規則と人事制度がある。このふたつはいわゆる人事労務のツートップ、両輪である。このふたつのツールをうまく機能させることで退職理由の改善に取り組んでみよう。このふたつをうまく機能させるためには、可視化、共有化してそれを仕組みに落とし込むことである。
 今回は、就業規則について何を可視化して共有化して仕組み化すればよいか考えてみる。
 就業規則は会社からのメッセージとして社員に届かなければ仕組み化されない。就業規則を会社のメッセージとして社員に届けるためには、まず経営者が作って終わりでなく、読み返したくなる、とまではいかないまでも、読み返すことを厭わない内容になっていることが必要だ。そもそも就業規則は労働基準法を遵守するためのもの(労働基準法第89条、作成と届出の義務)として、記載しなければならない事項を定めるものとだけとらえると、経営者としては、作って届け出(常時10人以上の労働者を使用する事業場)して終わり、社員にも作ったことを伝えるにとどまり、その内容を積極的に伝えるというところまでは思い至らない。
 就業規則は、労働者に原則として適用される労働条件や職場規律を定めることを目的とし、その効力が認められる、とされている。
果して自社の実態が、就業規則の規定と乖離がないか、明文化されないまま運用されているものはないか、実態と就業規則を比較し、すり合わせることが必要だ。実態と異なる規定がされている就業規則は誰も読まないし、信用しないであろう。しかし会社がもっとも就業規則で伝えるべきことは、社員にやってもらいたいこと、やってもらいたくないことを明文化して伝達し、社員とその意識を共有することだ。意識を共有することで会社の風土づくりにつながる。
 就業規則は会社の考え方を知ってもらうための大切なツールである。社員が権利を行使するときだけ読む就業規則から、社員に義務も全うしてもらうために、読んでもらえる就業規則にする必要がある。
 内容の見直しも必要だが、入社してから1度だけ説明を受けたというのでは就業規則に込められた、会社のメッセージは伝わらない。少なくとも部下を持つ立場になったら、機会があるごとに就業規則を読むことを課題とするなどの工夫も必要である。
 一を知って十を知れではなく、一を知らせるために十を伝える。繰り返し説明することで会社の考え方が社員の意識に定着する。
そうやって、就業規則は本当の意味で会社のルールブック(判断基準の基)となって仕組み化される。


鈴木社会保険労務士事務所 鈴木早苗

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