【HRサミット2016】日本最大級の人事フォーラム 5月11日・12日・13日開催!

将来、人工知能が人の仕事を奪う?人工知能について、いま、人事が知っておくべきこととは。

HRサミット2016では、「人工知能が『働く』を変える」というテーマで牧野さんにご講演いただきます。今日は、そのイントロダクションとして、少しお話を聞かせていただきたいと思います。

エンタープライズITのエリアでは人工知能の搭載が遅れていた

まず、貴社は大手企業向けエンタープライズアプリケーションの分野で国内トップシェアベンダーの地位を築いておられますが、今回、世界初の人工知能型ERP「HUE」(※)を開発、発売を開始され、国内外から大きな注目が集まっています。人工知能型ERPを開発しようとお考えになったきっかけは何だったのでしょうか?

※「HUE(ヒュー)」・・・ワークスアプリケーションズが開発した次世代ERP。人工知能によるビッグデータ解析によって、圧倒的なユーザビリティとまったく新しい業務のあり方を提供する。ユーザーのオペレーションを学習し自動的に処理を実行、最適な情報をサジェストする機能を有する。

そもそも、当社は1996年の設立当初から「日本企業のためのERPを」という思いを持って製品を開発し、提供してきました。10年ほど前からは、この領域で当社がデファクトスタンダードとなり、今では日本の大手企業様の約4割に当社の製品をお使いいただくまでになりました。しかし一方で、コンシューマー向けのアプリケーションには人工知能が組み込まれて、Googleのサジェスト機能やAmazonのおすすめ商品のようにユーザーの利便性がどんどん向上しているのに対し、当社の製品を含めエンタープライズアプリケーションにおいては人工知能がなかなか搭載されず、利便性や業務効率の向上への効果には疑問があったことも事実です。そこで、利便性を飛躍的に高め、お客様の業務効率の向上に貢献するため、エンタープライズのエリアにも早く人工知能を組み込んでいかなければならないと考えたことが、「HUE」開発の大きなきっかけでした。

人工知能にできることと、人にしかできないこと

人工知能というと、人の仕事を奪うものであるとか、現在ある仕事の多くが将来は人工知能に置き換えられるだろうといったことが最近よくいわれます。人事の方たちの間でも、人工知能が職場に入ってくると自分たちの仕事がなくなるのではないかと考える向きがあるかもしれません。実際のところ、人工知能は人の仕事をどう変えていくのでしょうか?

確かに、最近も囲碁の世界で人工知能がプロの棋士に勝ったことが大きな話題になったように、人工知能の進化は脅威的です。しかし、囲碁がチェスや将棋より複雑で難しいといっても、人工知能はあくまで限定的な、パターン化されたルールの中から最適なものを「選ぶ」能力があるに過ぎず、人のように「考える」ことができるわけではありません。人事の仕事で言えば、例えば、新しい画期的な人事制度を考え出すようなことは不可能ですし、人がいまやっている業務をすべてできるわけではないのです。

しかし、人工知能が職場に入ってくることで確実に変わることがあります。それは、「知識」があれば行うことができる業務は、どんどん人工知能に置き換わっていくということです。どれほど複雑な方程式や公式などでも、コンピュータは一度覚えれば間違えることなく遂行してくれますから、給与計算の方法や税金計算の方法といったことは人が覚えている必要がなくなります。とりわけ、一番に不要になるのはコンピュータの操作に関する知識だと思います。表計算ソフトでシートをつくるようなことも、少し複雑なことをやるには知識が必要でした。だからベテラン社員やコンピュータに強い社員が重宝されたんですね。しかし、そういった仕事は全部人工知能が自動的にやってくれるようになる。人事システムなども、特に知識がなくても使いこなせるようになる。つまり、単にキャッチアップして得た知識や、ルーティン業務の経験というのは何の意味も持たなくなるんですね。「知識」だけでは人は戦えなくなる。そこで求められるのが、人間の「知恵」です。得た知識をもとに考え、判断する。これは人工知能にはできません。人工知能が知識のキャッチアップを代替してくれる分、人はその先にある、本来的にやらなければならない「考える」という部分にもっと時間を割けるようになるでしょう。

人工知能によって、人事部門の業務は大きく変わる

ある大手企業が社内で調査したところ、勤務時間のうち90%以上はオペレーショナルな業務に追われていて、「考える」ことに費やしている時間はほんの数%だったという報道がありました。実際、人事の方々も極めて多忙で、「戦略人事」が重要だとわかっていても、考える時間が絶対的に足りないのが現状のようです。しかし、これまで作業に追われていた部分を人工知能がこなすようになれば、「戦略を考える」といった本来の業務により集中できるということですね。

人工知能が使われることによって、人事部門のオペレーション、ルーティン業務は劇的に減るはずです。また、コンピュータの中に入っている人事のビッグデータを使って、例えば、過去に業績を上げている人の傾向を分析できるようになります。その分析結果を見て、これはどういうことなのかと判断し、人材配置に役立てることもできるようになるわけです。これはほんの一例ですが、人工知能を使うことによって、人事部門の業務は大きく変わります。詳しくはHRサミット2016でご紹介したいと思います。

ぜひ、多くの人事部門の方々、経営者の方々に参考にしていただきたいですね。当日は、牧野さんのご講演後にトークセッションの時間も設けていますので、私からさらにいろいろお聞きしたいと思っています。今日はありがとうございました。

HRサミット2016での講演情報

牧野 正幸 氏

株式会社ワークスアプリケーションズ
代表取締役最高経営責任者
牧野 正幸 氏

大手建設会社を経て、ソフト会社に入社。その後、大手コンピュータメーカーに 出向、システムコンサルタントに。1996年にワークスアプリケーションズを設立。「20万人の学生があこがれる経営者アワード PERSONALITY部門」第1位 (LEADERS’AWARD)や「理想の経営者No.1」に選ばれるなど、今最も注目を集めるIT企業の経営者である。主な著書に『君の会社は五年後あるか? 最も優秀な 人材が興奮する組織とは』(角川書店)、『「働きがい」なんて求めるな。』 (日経BP社)など。

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