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なぜ高学歴で要領良い新人は研修を切り抜けられるのか?

〜座学でもムービーでもない。裏がない本物の体験型研修〜

株式会社エイムソウル 代表取締役 稲垣隆司氏

3つの要素が若手社員を変えた

 

当社は新入社員、若手社員に特化した研修プログラムを提供している会社です。
研修を提供し続けている中で、ここ数年、若者の変化を感じます。その背景には3つの要素があります。

1つ目は近年の「売手市場」です。学生の有効求人倍率は2011年から2014年の3年間は1.2台で推移してきました。ところが、2015年には1.61、2016年には1.73と上がっています。学生の数はほとんど変わっていませんから、企業の求人数が増えたわけです。旧帝大、早慶などの高学歴層に絞ると、有効求人倍率はさらに高くなります。彼等は完全な売手市場のなかで「選ばれている感」を強く感じています。

 

2つ目は学生の「情報リテラシーの高さ」です。いくらでも情報が手に入る状況のなか、彼等は、新入社員研修で教えたいことをすべて知っているといっても過言ではありません。PDCAについてもビジネスマナーについても当たり前のように知っています。つまり、それらについての研修は新鮮なものではなくなっているのです。

 

背景の3つ目は「経験済み」ということです。少し前、ベネッセさんが大学生5000人を対象に大学の授業がどのように変わったかを調査しました。それによると、グループワーク、プレゼンテーション、ディスカッションなど、ビジネススキルを学ぶ授業がどんどん増えています。学生はこれらについてかなり練習をしていて、スキルを身に付けているわけです。

 

つまり、彼等は「選ばれている」「知っている」「やったことがある」という感覚を強く持っているのです。

カンファタブルゾーンを抜け出すには体感することが大事

 

自分が安心して何かができる範囲のことを「カンファタブルゾーン」といいます。彼等のカンファタブルゾーンは、私が新人の頃に比べると確実に広くなっています。

 

ただし、彼等がカンファタブルゾーンと考えているものがビジネスの現場で通用するかというと、もちろん、そうではありません。現場に出ると、間違いなく打ちのめされます。広いと思っていた分、そのショックは大きなものになることでしょう。そこで、打ちのめされても大丈夫なように、マインドチェンジを促すような研修を考える必要があります。つまり、彼等のカンファタブルゾーンが実は狭く、学ぶことがたくさんあるということを気付かせることが、研修における大事なポイントになります。

 

しかし、以前は通用していたディスカッションやディベートといったプログラムを彼等は簡単にこなしてしまいます。しかも、エリート意識が強い。カンファタブルゾーンから抜け出すのが難しい状態です。

 

御自身の社会人としてのターニングポイントを思い出していただくと分かると思いますが、お客様からひどく怒られた、頑固な上司がやっと褒めてくれたなど、大きな失敗体験、成功体験がターニングポイントになっていると思います。それらはカンファタブルゾーンを抜け出した瞬間ということができます。これを研修で与えることができれば、彼等の成長スピードは必ず上がります。

 

我々は強いマインドチェンジ、強いスタンスチェンジを促す、さまざまな研修プログラムを提供しています。大切にしているのはリアルな体感です。今日御紹介する「神田商店街研修」もそんな研修プログラムの一つです。

 

神田商店街は神田駅西口にある500メートルほどの古い商店街です。現在、弊社は大井町にありますが、以前は神田にありました。神田の人達とお付き合いをさせていただくなかで、街を活性化したいという話があり、我々の研修なかに組み込んでみようということになったのが5年ほど前です。

 

神田の街にはリアルな店舗や会社があります。受講生はそこのリアルな住民と対峙します。

 

たとえば、新店舗出店を検討している居酒屋に企画案をプレゼンするという内容で行うとします。受講生は上司役の講師の指示に従って、リアルな店長にテレアポをしたり、ヒアリングをしたり、町中でインタビューをしたりして、企画を考え提案をすることになります。その途中、いろいろなトラブルも発生します。急きょ報告に来てくれという話があったり、いきなり電話で怒られたり、条件が変更になり、それまで積み上げてきたものを考え直さなくてはならなくなったり──、リアルで起こりそうなことを盛り込んでいくのです。

 

トラブルはいろいろなパターンを想定しています。受講生がどういう判断をしたかによって、講師と地元の方々が連絡を取りながら、シナリオを変えていくのです。

 

実は今日は神田商店街で居酒屋「おせっかい屋」を営んでおられる甲斐淳平さんに来ていただいています。甲斐さんは私達とは古い知り合いで、コンサルティング会社出身の方です。人材教育についての経験値も高く、我々の研修トレーナーになっていただいています。

 

おせっかい屋も神田商店街研修における重要な舞台の一つで、甲斐さんもリアルな登場人物の一人です。少し、最近の事例を含めながら受講生の様子を訊いてみたいと思います。

レポートはまだ続きます。気になる内容の続きは、下記よりお問合せください。

提供:株式会社エイムソウル

稲垣隆司氏

株式会社エイムソウル
代表取締役
稲垣隆司氏

株式会社光通信の人事部責任者として、年間600名の新卒採用や人事制度構築を担当。 2005年に株式会社エイムソウルを設立し、代表取締役として企業の採用・教育課題に取り組む。 2014年よりBoat株式会社代表として、インドネシア・ジャカルタを拠点に日系企業のグローバルHR領域にて支援を行っている。