パーソル総合研究所、人工知能AIを活用した「ピープルアナリティクスラボ」設立。最適な人材配置を支援

ウェアラブル端末等のIoT・センサーを用いて収集した従業員データを統計解析し、戦略的な人事・経営の意思決定や業務効率化などへと活かすピープルアナリティクスが活性化している。
株式会社パーソル総合研究所(以下、パーソル総合研究所)は、2017年10月より人工知能を活用して最適な人材配置を支援する専門組織「ピープルアナリティクスラボ」を設立すると発表した。

パーソル総合研究所はピープルアナリティクスを用いて、「人の最大活用によって、企業のパフォーマンスを向上させること」をコンセプトに、戦略の実現に必要な人材像の明確化、適切な人材配置、効果的な人材開発などを支援するとしており、活用の場としては、次世代リーダー発掘・育成、海外赴任における「人」と「場所」のマッチング、上司・部下、チームワークのケミストリー向上などを挙げている。
ピープルアナリティクスラボでは、ピープルアナリティクスを活用し、社員の「行動特性」と「能力特性」を分析して適材適所となるような「適正配置モデル」や退職者を予測する「退職予測モデル」の構築を支援したり、パフォーマンスの高い社員の特性を分析してマネジメントに役立てる「ハイパフォーマー分析」などを企業の課題に応じて実施するとしている。

今回、パーソル総合研究所がピープルアナリティクスラボを設立するに至った背景には、生産年齢人口の減少により未曾有の人手不足が続く状況下で、多くの企業にとって最適な人材配置による社員一人ひとりの生産性向上や離職防止が急務となっているという現実がある。より人材管理に重点を置くことが求められる中、記憶・勘・経験に頼らない、科学的・客観的なアプローチに基づいた「より確かな人事」の実現を支援するという。

パーソルグループでは、2015年よりグループ内社員を対象としたピープルアナリティクスに取り組んでおり、パーソルホールディングスとしてHRテクノロジー大賞アナリティクス部門を2年連続で受賞している。HRテクノロジー大賞(主催:「HRテクノロジー大賞」実行委員会、後援:経済産業省、株式会社東洋経済新報社、株式会社ビジネスパブリッシング、HRテクノロジーコンソーシアム(LeBAC)、ProFuture株式会社)とは、従来の感覚的手法に左右されていた人事領域において、より具体的なエビデンス・データを示し、人事が生産性向上にいかに貢献したかを明らかにすることが求められている潮流を受け、HRテクノロジーと人事ビッグデータの優れた取り組みが評価された企業に送られる賞である。
パーソルホールディングスは一般的な人事データとアセスメントデータをもとに統計学手法を活用し、社員の異動後の活躍できそうな組織を予測するモデルを構築したことにより、社員一人ひとりの得意領域が発揮できるようにマネジメントされ、自社の生産性向上に寄与した、と評価されている。
こうした自社における経験・ノウハウを活用し、外部の企業支援へと繋げるものと思われる。

ピープルアナリティクスは、合理化を図り、常に最適解を求めるビジネスの分野で利用価値のある手法として今後も需要が伸び続けるだろう。

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