「エクストリーム出社」とは、平日の早朝から観光、海水浴、登山といったさまざまなアクティビティを楽しみ、始業時間には何事もなかったかのように平然と出社するという活動のこと。エクストリームとは「過激な、極端な」という意味の英語で、「すごい! こんなことを出社前にしたの?」と驚かれるようなエキサイティングな時間を過ごすほど、エクストリーム出社としてのポイントは高くなります。

エクストリーム出社を提唱したのは、「日本エクストリーム出社協会」代表の天谷窓大氏と椎名隆彦氏。普通のビジネスパーソンだった両氏が、当初、こうした活動を個人的に行い、ネットで情報発信していたところ、反響が大きかったため、協会を設立したといいます。その後もエクストリーム出社への関心はSNSで全国的に広がり、エクストリーム出社を実践するビジネスパーソンも増え、テレビ、新聞、雑誌など、メディアで大きく取り上げられるようになりました。

一見、単なる「遊び」のようでもありますが、エクストリーム出社はスポーツ競技として位置付けられており、出社までを「移動」「アクティビティ」「演出」の3つの採点基準で競い合います。スタートは自宅からでも、前日に宿泊した自宅以外の場所からでもよく、前泊スタートなら、湖でのカヌーや登山など、そのエリア特有のアクティビティをすることができます。エクストリーム出社の様子をツイッターなどで審査員や観衆に対してアピールするため、スマートフォンなどのモバイルデバイスは必携。なお、出社が定刻に間に合わなかった場合、つまり遅刻した場合は失格です。

アクティビティには、これをしなくてはいけないという規則はなく、始発電車で東京から鎌倉に向かい、観光と海水浴を楽しむ、24時間営業の居酒屋でノンアルコールドリンクで飲み会をする、早朝の遊園地で絶叫マシンに乗るなど、さまざまな活動が報告されています。

エクストリーム出社は、始業前の時間を活用して勉強や趣味、仕事の人脈づくりなどにあてる「朝活」と似ていますが、よりリフレッシュに重点が置かれています。いずれにしても、出社前に非日常的な時間を楽しみ、気分転換が図れれば、仕事も午前中からフル回転でこなせそうです。新しい発想やイノベーションを生み出すためのリフレッシュのほか、メンタル不全を防ぐストレスケアなどの効果も期待できるかもしれません。