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長時間労働をしたがる社員対策

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2016年11月04日

うつ病や過労死の要因として、またブラック企業の典型例として、昨今何かと話題となる長時間労働である。多くは会社や上司が要因となるが、社員自身が要因となっているケースも少なからず存在する。

社員そのものが要因となっているケースには、次の4つのタイプを指摘できる。

① 残業代目当て
② 完璧主義
③ 要領が悪い
④ 会社にいるのが好き(=他に居場所がない)

これらは相互に重なって存在する。たとえば、「早く家に帰ってもしょうがないし、会社にいれば残業代も入るので、のんびりとやるか」と考える①と④の複合タイプである。また、完璧主義であり、かつ要領も悪いという②と③が複合したやっかいなタイプも存在する。

長時間労働の背景に人手不足や納期対応などの要因もあるが、言えるのは、この人たちはどのような部署・時期であっても、基本的に残業が多いということだ。つまり、仕事の問題ではなくヒトの問題なのである。

①はともかく②~④の人が管理者になったら部下の残業も間違いなく増加する。その管理者のいる部署は常に残業が多いというのはよくあるケースである。

では、そのような社員にどう対応するかを整理してみよう。

①のタイプは、残業をすることを前提に仕事を組み立てている。そもそも定時に終わろうという気がないのである。したがって、一定時刻、たとえば7時以降は残業禁止とするのが適切だ。そして、日中や残業時の仕事ぶりをチェックすることが大切である。
ある企業では、残業代に相当する手当を支給することで、残業削減に成功したという。残業してもしなくても給与は同じであれば、なるべく早く帰ろうとするのである。経営者からすると労働単価が増えることになるが、1日のアウトプットがこれまでと同じであれば決して損にはならない。社員の生産性意識を高められ、むしろプラスになるとも考えられる。

②は、仕事にメリハリをつけさせることが重要である。時間を考えずに、どの仕事にも完璧を期すのは、決してプロのやることではない。限られた時間で最大の成果を上げるのがプロである。手を抜いてもよい業務やプロセス等を見つけさせる、あるいは上司が一緒に考えることである。
もう1つ、この手のタイプは何でも自分でやらないと気が済まない。そこで、仕事の分担や権限委譲させることも大切だ。たとえば、資料作成は任せるにしても、内容のチェックは他のメンバーにやらせるなどである。

③は、仕事の計画化、作業プロセスの明確化、作業のマニュアル化、文書のフォーマット化など、とにかく仕事の定型化が重要である。ただ、これらをやれと言っても、なかなかできない。できないから要領が悪いのである。よって、定型化の作業は、上司が指導・支援しながら行う必要がある。

④は、問答無用で定時に退社させることである。残業を付けないなら、あるいはタイムカードを押した後なら居残ってもよいというのはNGである。このような人が居残っていると職場の空気が弛緩し、本当に残業が必要な社員の能率も低下するばかりだからだ。

さて、これらの社員の存在の背景には経営者の認識もある。残業の必要性の有無にかかわらず、長時間労働をする社員は「頑張っている」社員であり、「可愛い」社員であると考える経営者はまだまだ多い。しかしながら、今の時代、そういった社員が本当に会社に貢献しているかどうかを再認識すべきである。

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