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「働き方が変わる。企業と従業員の関係は?」

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2016年02月29日

2015年4月3日に改正労働基準法が閣議決定され、「ホワイトカラー・エグゼンプション」も組み込まれた。

 

経営者である皆様にとっても注目のニュースの一つだろう。

その是非はともかく、特定の専門性の高い業務や人材に対しては、成果に対して報酬を支払うという考えは、

世界の潮流であり、グローバルビジネスで戦うための競争力を維持する上では必要だと考えている。

 

その前日に、丁度「グーグル:東大で「青田買い」AI技術流出に日本危機感」という記事(毎日新聞)を読んだばかりだった。

グーグルの役員らが東京大学の本郷キャンパスを訪ね、人工知能を研究する大学院生らに、年収約15万ドル(約1800万円)の条件を提示し、リクルートし始めているというニュースだ。

 

国籍に関わらず、世界中からAクラス人材を採用し、グローバル市場において戦っていくというのがグーグルはもちろんのことGEやP&G、ネスレといったグローバル企業が取っている人材戦略である。

 

私もグーグル本社には何度か訪問したが、まさに世界中のトップタレントが集まっているという感じを受ける。

そこに魅力を感じ、またさらに優秀な人材が集まる仕組みが出来ている。実際、私がインタビューした方も、

グーグルにいて最高のことは「最高の人材と仕事が出来ること」と述べていた。

彼は米国のトップスクールの一校、カリフォルニア大学バークレー校卒。

30前後だが、重要な製品の開発プロジェクトの中心メンバーだった。

 

かたや日本企業では、留学生や外国籍社員の新卒採用が各社で見られるようになってきたものの、

まだまだ管理職以上はほぼオール日本人。かつ多くの企業においては9割男性というのが実感であろう。

 

スポーツの世界では、日本のプロ野球界からメジャーリーグを目指す選手が増え、

そして、サッカーではJリーグから、欧州のトップクラブを目指す選手がここ数年大きく増えている。

彼らはいわば、非常に高い専門性を持ち、または持つために、世界と戦うべく自分自身を売り込んでいる。

自分自身のグローバル化である、パーソナル・グローバリゼーションをまさに実現している状態だ。

企業においても同じことが世界で起きているが、日本でもそうなっている。

そう考えている。

 

こうした時に経営者である皆様にとっての関心は、企業と従業員の関係ではないだろうか?

 

「ワーク・シフト」や「未来企業」などのベストセラーを出し、実践的経営論で著名な

ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授はこう述べている。

 

企業と従業員の関係は「親子」から「大人と大人」へと変わる、と。

 

つまり、ベストの解を分かっている親が何もしらない子供の面倒を見て、

子供は親の庇護の範囲で自由に振る舞う。企業が望む仕事を重要にさせる形態だった。

企業側に圧倒的な力があった。

そこから大人対大人の関係にうつり、企業と従業員がより対等な関係になる。

自己の成長責任は従業員自身が負うが、企業の責任がなくなるわけではなく、対等、つまり両者の共同責任となる。

 

その時企業に必要なのは、従業を単なる組織の一員としてとらえるのではなく、

個人としての存在を認識し、一人ひとりがどのような人材であるか、

どのようなモチベーションで仕事に取り組んでいるか、より敏感に察知していくこと。

 

このように述べている。

(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2015年5月号別冊「人材の未来、教育の未来」より)

 

組織における多様性を通して価値を生み出していくという方向性になる。

 

いかがだろうか?

経営者である皆様にとってはどういった人材と働いていくか、を考えるキッカケとなる一つのニュースだと思い、紹介した。

 

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